「内定ゲッター・チャレンジサークル」就活部

 

 

これから就職活動を迎える学生の御両親へ


〜息子と二人三脚で乗り切った就活奮闘記〜

 

内定が取れない責任の50%は“親”にあります。

私の息子は今年大学を卒業します。
昨年の就活で食品メーカー2社 ビール会社1社 電気メーカー1社 機械メーカー1社
の大手5社の内定を頂きました。
ESは43社提出して 37社通過しました。

誤解しないでください。自慢話をするつもりは全くありません。
今の就活の厳しさを全く認識していなかった私が、
2人の友人のサポートにより無事に息子を就職させることが出来たということをお伝えしたいのです。

そして、親が一緒に戦わないと内定を勝ち取れないことを教えられました。
今後、就活は益々厳しくなると言われています。
多くの学生が苦しんでいます。
とても人ごととは思えません。

一刻も早く、親として何をしてあげなければいけないのか気づいてあげてほしい!! こんな私の気持が少しでも役に立てたらと思い、この手記を書こうと決めました。

私の息子はスポーツ推薦で有名大学の付属高に入り、そのまま大学に進学しました。
正直、就職の心配なんて全くしていませんでした。

「普通にやっていればどこかの大手に決まるだろう。」

息子もサークルとアルバイトに熱中していて、殆ど家に居らず、あまり顔を合わせることも無くなりました。

大学3年生の夏ごろ、大学から1冊のレポートが送られてきました。

 

“就職内定率60%を割る!!”

 

何かの間違いだろ? 正直信じられませんでした。

息子に聞いても、今はサークルで忙しいから9月に入ってから始めると言われ・・・
あっと言う間に9月になり、スーツを作りに行って、勝手に就活を始めだしました。
何をしているのか聞いてもあまり答えないし、状況が全く解りません。

12月に入り、親として何をしていいか解らなくなった時、大学時代の友人のA君が就活に詳しかったことを思い出し、直ぐに連絡して忘年会をやることにしました。

相談すると、毎年5人位手伝っているらしい。
いつも会っているのに全く知らなかった。

「もうすぐ今年も終わりか、早いな。そろそろESのブラッシュアップの時期だな。」
と言いだしました。

 

ES?ブラッシュアップ?

 

「なんだお前、ESも知らないのか、少し勉強しろよ、内定本くらい読め。それじゃあ息子がお前に相談するわけ無いだろ。」

そのまま30分くらい説教され、如何に就活が厳しい状況なのかをやっと理解しました。
そして親が係らないと内定を取ることが難しいと言われ、ショックを受けたのを今でも鮮明に覚えています。

仕方ない、面倒見てやるから今から連絡しろと言われ、息子の携帯に電話。
滅多に連絡したことがないからな〜と思い、・・・ なに?

あ、出た、説明すると、マジ?会いたい。
え?あっそう、じゃー本人に代わるね。

ここからは、2人で話して勝手に予定を決めていました。
俺も行くよ、と言ったらお前はいいから本でも買って勉強しろと言われ、任せることになりました。

1月中旬が過ぎたころA君から連絡が入り会うことになり、そして息子のレベルを説明された。

「3回会って色々話したよ。本人も随分迷っていたみたいだな。だからESも中途半端になっていたよ。息子さんとよく話し合ってかなりブラッシュアップしたよ。吹っ切れたと思うよ。」
と言われた。

よく意味が解らなかったので、詳しく教えてもらうことにしました。

「お前の息子は3年前だったら簡単に内定が取れたと思うけど、今は企業の採用基準が変わったんだよ。」

 

“採用基準?”
“レベルが上がったってこと?”

 

「そうじゃなくて、求める人材が変わったってこと。企業は今大変だろ。昔みたいにじっくり育てる余裕がなくなったから出来るだけ即戦力型を採用したいわけだよ。だから、学生時代に企業が求める人材である様な行動をしていた学生が有利になる。それをどれだけ強烈にアピール出来るかが重要なんだ。おまえの息子はその部分を強調するのに抵抗があったみたいだな。まあこれは教えてあげなければ殆どの学生はわからないと思うよ。」

今風に言うと、

“企業は草食系より完全に肉食系を採用するんだ。”
 

「それで、息子さんと相談して対策を考えたわけだよ。解りやすく言えば、ESをかなり強烈なものに、まあかなり生意気な感じにしたよ。それで実際に会ってみるとそうでもないじゃないかって面接官に思って貰う様なギャップを作ることにした。かなり生意気に作ったから企業によってはESが通らないかもしれないけど、10,000人以上応募してくるんだから目立たないとな。息子さんも納得したよ。後は、どこを受けるかを悩んでいるからそれは相談に乗ってやれよ。」

私は話を聞いて正直よく理解出来ませんでしたが、今後も助けて貰う様にお願いして別れました。
家に帰って息子に話すと、

「とにかく凄い人だ。本には絶対書いてない事を教えてくれる。完全に吹っ切れた。」

と言って珍しく私に感謝していました。

2月に入ってもう1人詳しい人がいることを思い出し、澤村さんに会いに行きました。
この就活部の人です。
仕事仲間で、就活に詳しいとは聞いていましたが、まさかこんなサークルをやっているなんてそれまでは知りませんでした。

息子の作ったESを持って行き相談すると、

 

「凄いESだな!!普通ここまでレベル上げるのに半年はかかりますよ。」

 

本人が作ったのかと聞かれたので、今までの事を正直に話しあらためてA君の凄さを理解しました。
そして、どこに応募するか悩んでいることを正直に話しました。

「就活で大事なことは実はどこを受けるかなんですよ。採用基準が変わったということは企業側の実態も変わったということ。就労経験の少ない学生がこの情報を取るのは難しいんです。息子さんが悩んで当然なんです。」

「よく日経で人気企業ランキングが乗っているけれど、あれほどいい加減なものはありません。人気があるのと業績がいいのはイコールではないんです。学生に人気がある企業は学生がよく知っているというだけですから。」

「このESを読むと多分メーカー向きですね。後はどの会社に絞るかです。これからの時代は大変です。10年先を考えていまの業態がしっかり残っていると思われる安定成長予想の会社を選んだ方がいい。業種的にはこの3つで会社はこの辺りかな・・・」

 

ESはこのままで全く問題ないし、多分かなり通過すると思うと言われ、結局40社位リストアップしてもらいました。
ESの結果を後で連絡することで、別れました。

 

息子に伝えると、素直に聞き入れて、結局43社に提出。そのうち私も5社手伝うことにしました。

1ヶ月くらいすると続々通過の連絡が来るようになり、A君にお礼の連絡と、澤村さんに面接対策を受けに行きました。

面接官のタイプや何故そのタイプの人が面接官になるのか、面接官の役割、面接にどの様に対応すればよいのか、そして学生の何処を見ているのか。

グループディスカッション、グループ面接、1次、2次、最終面接の対応策、等々。
本当に内定本に書いてあることと違う事を言われ、こんなこと学生に出来るのかと戸惑いより驚きでした。

サークルでもアルバイトでもリーダーをやっていて、これだけESが書けるのなら、絶対に理解できるはずだ。後は親として以下の注意点をアドバイスされました。

 

@内定を取ることが如何に大変なことであるかを理解して、何を悩んでいるかを聞いてあげる。自分の時はこうだった、と絶対に言わないこと。(結果的にこれが一番大事かもしれない)
Aどんなに優秀な学生でも落ちる数のほうが圧倒的に多い。そのたび落ち込むから支えてあげること。そして次に繋がる様にバージョンアップさせるようにすること。
(これが非常に難しい)
B面接官の質問の意図が理解できているか、それに対して的確に答えているか一緒に確認する。
C絶対に最後まで応援団に徹する。

 

息子に面接対策を教わった通りメールしたら、しばらくして、

 

「よくわかった。ありがとう!!」

 

と返事が来た。

 


息子からお礼を言われたことはいつ以来だろう・・・

 

3月に入り震災が起き、就活にも変化が起き、志望順位も変えて行きました。澤村さんにはその都度色んなアドバイスを貰い本当に助けて貰いました。

そして、

 

“4月に1社目の内定がもらえました。”
 

本当に感激でした。
6月で就活は無事終了。結局、澤村さんに進めてもらった会社に決めました。

10月から始まって8カ月の就活の戦いでした。
息子の成長に本当に驚きました。
でもそれ以上に私が成長したと感じています。
就活の状況に全く無知で、息子が何を悩んでいるのかも理解しないで、ただ心配だけする。そんな親に相談しても無駄な事が息子には解っていた。

 

全くダメな親だった・・・

 

息子にアドバイスをする為に私も勉強を始め、8か月で10冊くらい就活本を読みました。
そして一緒にESも書きました。
高校入学から殆どまともに会話をしていなかった息子と10年分くらいの話が出来て、メールも100回以上交換しました。

就活のお陰で何だかとても楽しませてもらったと思います。
これもA君や澤村さんのアドバイスのお陰です。
相談しなかったら間違いなく全く違った展開になっていたと思います。
本当に感謝しています。

 

最後に私の意見を書きます。

自分の力だけで内定を取れる学生は限られています。
何らかの形で親が係らければ内定を取ることは非常に難しいと思います。
親がそのことにどれだけ早く気が付けるかで勝負が決まると思います。
私の周りにも内定が貰えず悩んでいる御両親が沢山います。
でも一番悩んでいるのは本人です。
人格が否定されたと勘違いしている学生もいます。
そんなことは絶対にありません。
急激な社会の変化に対応できないだけです。
勿論、色んな状況の学生が居ると思います。
ちょっとしたアドバイスで直ぐに対応出来る子もいれば、マンツーマンで2年ぐらいかけないとダメな子もいると思います。
それは今までどんな環境にいたかにより違って当然です。
そのことに親としてどれだけ早く気付いてあげられるかではないでしょうか。
生意気なことを長々と書き、大変失礼しました。

でも、どんな子供でも親として育てた責任があります。
どうか子供から逃げないでください。

子供たちを明るい笑顔で卒業させてあげましょう。

 

平成24年2月1日
橋本 真一 

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